黒・高橋のFFF裏レポート

FFFショーはとても居心地が良く掛け値なしに楽しめました。
しかしこのクラブの運営方法がそっくりそのまま日本に当てはめることも出来ないと感じました。
歴史の長いクラブの「功」と「罪」。アメリカ社会の「明」と「暗」。
検証不十分のため雜誌でのレポートに書けなかった思いを綴ってみたいと思います。





EPISODE 1

悪代官顔の会長 Mr Grereenlee



FFFの現会長フィリップグリーンリー
100%ビーフじゃなかった!100%WASPであろう「歩く古き良きアメリカーン」な人
面倒臭そうだったけどインタビューに答えてくれました。
11000人のクラブの会長だから立場上「それなりの応え方」しかできないのでしょうが
東北の災害についてお悔やみをインタビューの最初にしてくれたり
テレビゲームしかやらない子供たちを少しでもアウトドアに引き込みたくて
FFFで新しいプログラムを作っているとか、釣り場で幻想的な場面に会って感動しただとか
スピリチュアルな面も持っている「人間的には良い人」

問題は「立場上それなりの応え方」でして・・・。
どこの国でも同じといえば同じなのでしょうが、同じ質問を会長・役員・元役員にすると
みんな違った答えをします。元役員はほぼ正確な本音をはなし。役員は喋らないけど目で頷き、
会長は堂々と嘘をつきとおします。
「会長、最初の質問です。FFFの正式名称を教えてください」
「名前?ああっ、インターナショナルフェデレーションオブフライフィッシャーズだよ」
「本当ですか?インターナショナルが付くんですか?米国内のNPOでしょ?」
「いやいや、他の国16カ国と協力関係にある。日本にもキャスティングインストラクターに行ったろ?」
(それってインターナショナルって言っていいの?)って感じですね。

このキャスティングインストラクター認定制度が「問題児」で・・。(この件は後日、1話できちゃいますから)
ショーで知り合ったメンバーの平均年齢は70後半といった感じで、高齢化が進んでいるようです。
原因は3つくらいあって、この年齢のメンバーは「本当に富裕層」で、今はハッピーリタイヤー。
もっと下の50代60代はとても真似できず現役で働いていて、ガイドやタイイングスクールなども飯の種にしている。
会員は全米にいても、今回の北西部ワシントン州の開催だと近場の州のメンバーしか参加しない。
国内旅行といっても3泊4日ともなると$2000じゃ済まない。特に若い奴は来れない・・・。
年会費自体はは安いんだけどリゾート地で行われるリッチな年次総会にはいかないメンバーが多いということだ。

その年の役員による運営にも出来不出来があるらしい。リーマンショック前は企業からの寄付も多かったらしく
運用のために「お金を引っ張ってこれる凄腕の役員」を外部からスカウトしたらしいが、
時期も悪く、「全然スゴ腕じゃなかった」みたいで、その時の役員は会員から総スカンをくったらしい。
11000名のクラブは日本なら社団法人クラスにあたると思う。ファンドである以上運用は必然だが
今は懲りて節約経営中のようだ。



EPISODE 2

演歌歌手のように1曲(1本)を大切にするココロ



40席のタイイングデスクに3日間、午前午後の6セクション入れ替わりで
「ワールドベストタイヤー」がテクニックを披露する。
北西部での開催ということもあって、アトランティックサーモンフライを巻くタイヤーが目立つ
実際には使わないフルドレッシング派。新素材をふんだんにつかうコンポラ派。
そして、初めて見た中間期に作られた「ニンフの原型」のような派閥。
どれも感情たっぷり、時間たっぷりかけた「アート」というのがふさわしいフライだ。
最も多かったのがスチールヘッドやビッグレインボー用のニンフタイヤーだ。
見た目は地味で「同じようなフライ」を巻いているように見えるが、
みんな実績のある「今すぐ使えるフライ」を紹介している。
ビーズヘッドニンフを巻いていたデイヴ(写真手前左の男性)にひどい質問をしてしまった。
「あっ、デイヴ。このフライ雜誌でみたことあるよ。日本でも巻く人おおいよ」
「そうかー。雜誌に載るずいぶん前から巻いてるんだけどなー。日本でも良く釣れるのか?」
(エッ!もしかして本当のオリジナルタイヤーなの!!)

「他にはどんなフライを巻くの?」
「いつもこればっかりだなー、サイズもこんなもんだし、カラーも似たようなもんだ」
「20年くらいかな。ちょっとづつ変わってきてるけどこればっかりだよ。」
補足すると、フックのワイヤーの太さ(重さ、沈み具合に直結する)や
ボディの長さを再現しやすいシャンク長などフック選びのために毎年
若干の変更はあるものの、カラーやボディとテールのバランス(比率)
使うマテリアルのブランドまで20年間変わっていないそうだ。

20年間釣り場で鍛え上げた「完璧なバランス」のフライ
こだわっているのか無頓着なのか、「変えない執念」はすごい!
毎年新作フライを雜誌に載せるどこぞのフックメーカーのお抱えタイヤーや
新しいマテリアルを売りたいが為のゴチャゴチャしたフライを発表するタイヤー
君らは作り出したフライに愛情はあるのか?責任を持って紹介できるのか?
本当に「新しいパターンに魚はよわい」と思っているのか?
そのパターンは来年も残っているのか?

なんの変哲もないような「地味なニンフ」は演歌とダブった。
来年いるかどうか分からないKポップグループよりも
下積み時代の長さが花開いた「1曲を歌い込む」有線の女王。

「あれやこれや巻く奴は信用してもらえない」





EPISODE 3

コンサベーションコミッティ (環境保全会議)



コンベンションセンターでのショーが始まる前日の水曜日に
ダウンタウンのモーテルから「FFF指定」のリゾートホテルに移動した。
午前中にホテルに入ったのでチェックインまで暇つぶしをしよう。
プログラムの中で「無料」で、時間の都合の良いものを探し出席してみた。
「コンサベーション・コミッティー」環境保全会議。
名前通り「お堅い会議」ですが、 議場のドアは開けっ放しで
「誰でも自由に入って聞きなさい」というアピールをしてくれている。
スライドショーなどで淡々と議題が進められている。
解ったような解らないような感じで聞いていたら、
「どこそこでレイクトラウトの幼魚がカットスロートに食べられている」だとか
「どこそこのストライパーが漁師がリミットを守らないため激減してる」とか
まあ何処でもある話なんだろうなと聞いていた。

後半「外部団体」と思われる人の説明する場面があった。
見た目でFFF関係で無いと解る。だってジーパンにチェックのネルシャツだもの。
FFF関係者はみんな支給のシャツにチノパン、革靴って感じだからね。
その彼がちょっと緊張気味に「丁寧な英語」で話はじめた。
どうやら「我々はサーモンの遡上の保護のためにこういう活動をしている、
つきましてはこれくらい費用がかかるので、是非出資して欲しい」みたいな?

ちょっと解ってきたぞ?!
下請けに予算配分したり、陳情に耳を貸すのがこの規模の団体の「保全活動」なわけだ。
保全委員会は保全に必要な資金を集め配分するのが仕事と思えばよい。
「悪くはない」と私は思う、
なにもシーズンオフに川の清掃をするばかりが「保全」ではないだろう。
こうなると「予算配分のための金集め」は正しい事だと洗脳されてきた。
ようだ?





EPISODE 4

西海岸カルチャーの憂鬱



上手くまとまらないのでもう暫くお待ちいただけますか?





EPISODE 5

キャスティングインストラクター認定制度



FFFショーが開催されたスポケーンコンベンションホールの前庭で
キャスティングランデブーという小さなキャスティングクリニックをやっていました。

自分のタイイングデスクの準備が終わったので、外でタバコを一服と思ったら、
その前庭の芝生で3人ほどのインストラクターが準備中です。
「おはようございまーす」と近づいていったら、年配の一人が返事をくれました。
名前はジム・ヴェール。身長は私と変わらないくらいですが、筋肉質で笑顔が素敵です。
「おはよう。ジムだ。どこから来たんだ?」
「日本ですよ、ヒロです。3日間タイイングします」
「じゃあヒロ。ちょっと振ってみるか?」
「えー、いいの?」
5番くらいのグラファイトロッドは適度にしなやかさの残る「覚え易いロッド」でした。
2,3回フォルスキャストをしたらスグに指摘が飛びました。
「バックキャストがクイックすぎる。フォワードはもっと腕を伸ばせ」
「あっ、そうか。グラファイトロッドを振るのは久しぶりなんだ」
「どうりでな。バンブーのようにロッドが吸収してくれないから、
ロッドの動きを滑らかににしないとラインの形が出ないぞ」
たった1分足らずで見抜かれました。修正すると、
「グッドだ。それでイイ」

―死ぬほど解り易い説明でした―

フライフィッシングをする上で合理的なキャスティングを覚えることは不可欠です。
FFFの認定プログラムは、「俺は認定されるほどキャスティングが上手い」ではなく、
「ちゃんと人に理解されるだけの指導力がある人物」を選ぶプログラムです。
とても紳士的で相手のことだけを考えて、理解されなけりゃ「恥だ」くらいに真摯です。
FFF内のキャスティンググループとして1992年にスタートしましたが、
ご存知の方も多いでしょうがメンバーが凄い!
Gary Borger, Lefty Kreh, Joan Wulff, Jim Green, Al Kyte. Steve Rajeff,
Bruce Richards,そしてMel Krieger,
世界中のフライマンが尊敬するフライフィッシャーが同時期に在籍しただけでもスゴイ。







Edit by Elephantproof