THE ESSENCE OF FLY TYING



第三十一話 ライトパターン

ハックルなどが水面に接しておこるライトパターンがサカナに刺激を与えるという事は、
エキスパ−ト諸氏の文献などにより、かなり「常識」の部分になっていますね。
私もその通りだと思いますが、「乱反射するだけで良いの?」とも思っています。
同じ乱反射でもティペットの起こすものは「大ブーイング」がはいりますね。
ここでキーワードになるのが、「乱反射は目立つ」ということになると思います。
第一に考えられる「目立つ」は、存在感です。ティペットの起こすものは「存在感が有り過ぎ!」という事ですね。
ミッジアダルトでもライトパターンの乱反射で、存在感が増し、流れや波があってもサカナが見つけるのだと思います。
第二の「目立つ」は、生命感だと説明したいのですが、どうでしょう?
水中にある、なにかの「モノ」なら、そのモノ自体のシルエット、柔らかさ、透明感、
動き、などがイミテ−トする基準になるでしょう。では、ドライフライはどうでしょう?
水面というフィルターのため、水面上のシルエットは曖昧。というより、ハッキリ分からない状態を作ります。
(見にくいついでに、色やサイズが間違っていてもダイジョウブという事になり、ラクになるので、有り難い)

そこで!ライトパターンの「存在感」と「生命感」の出番です。
サカナはまず「キラキラ光って流れてくる、アレは食べれるものかな?」と、フライを認知します。
次に、「流れや波によって、ライトパターンの乱反射は増幅され、生命感を演じます」
よって、サカナの興味と捕食欲も増幅し、「ダイジョブ!ありゃ食い物だ、だって動いてるもん!」
上手くいきました。サカナのスイッチは入りっぱなしです。

こう考えるとライトパターンの効力も、今まで以上に納得できませんか?


第三十二話 忍野の釣り

昨日、ついでの用もあったのですが、忍野で釣りをしてきました。
短いエリアのなかでも下流だけ、3時間ほどアレヤコレヤ試してみました。
緩い流れで見えているサカナはダメでしたが、瀬のサカナは元気に飛び出してくれました。
マッチ・ザ・ハッチで有名な忍野ですし、リバーズエッジの渡辺さんにも途中で会って、状況を聞くと、
「午前は大きなフライでOK。午後はコカゲで、ヒゲナガに移るはずです」という事でした。
うーん?悩んだものの、テストしたいフライもあり、結局#12くらいのフライで通してしまいました。

フライローテーションを考えれば、もっとサカナは出たかもしれませんが、
きれいにドライで6匹釣ったので、ワタシ的には満足でした。
もしかしたら、「マッチ・ザ・ハッチの忍野」では邪道かもしれませんが、
「瀬を釣り上がる」スタイルを取ったため、このような結果がでました。

ここで、考えるべき事は、「優先順位」です。
@ 元気なサカナが居るであろうポイント探し。(今回は瀬の中)
A ドラグの回避。(立ち位置を工夫し、なるべく長く流せるレーンを選ぶ)
B 最後にフライをなるべくマッチさせる。(マッチはしていなかったかな・・?)
という順番で組み立てました。これが全てでは無いでしょうが、「ガンコでは無い、自分の都合」理論とか、
「経験から推理をし、それをまた、経験として蓄える」という手法で結果を出しては如何でしょうか?


第三十三話 ドラグヘッジ

ドラグ回避、ナチュラルドリフト、ドラグフリー、と言い方はいろいろありますが、
その本質は、「人為的」にライン、リーダー、フライを「操作」する事です。
「自然に流したいから、何もしない」では無く、「「自然に流すため、積極的にいろんな事をする」のです。
その方法は、@ティペットを細く長くし、抵抗を減らすA流れを読み、立ち位置を変える
Bラインにたるみを作り、抵抗のかからない時間を稼ぐ。Cロッドを高く保持し、ラインを水面に着けない。などです。
Cは、近距離に限られてしまうのと、効果に疑問もあるので、省略します。
Bが「操作」の大部分であり、「ドラグ回避の量」的にも多くを占める重要な方法だと思います。
「ラインのたるみ作り」は、2つの命題(目標数値)が内在します。
1つは、「自然に流れる(流したい)距離の分のたるみを作る。」事で、2つ目は、
「サカナがフッキングするのに必要なチカラがかかる長さにするか、フッキングの方法を身につける」という事です。
言い換えれば、「自然に流れるようにユルユルにするんだけど、バシッ!とアワセられるだけのユルユルにね!」です。
テクニックは、ご存知の通り、「リーチ」「メンディング」「フリップ」の合わせ技ですが、
プレゼンテ−ション前(フライが水面に着く前)に、大部分の量を行った方が良いと思います。
何故?フライが着水する時には、アワセる体制を完了していたいのと、メンディングは、「追加」の処理だからです。
ワタクシ的には、「リーチとフリップを併用して、着水までにタルミを作り、1メートルのナチュラルドリフト」を目指します。

キャスティングが距離や方向の操作なら、ドラグの回避は釣るためのプレゼンテ−ションの操作と言えませんか?


第三十四話  スレッド

久しぶりにタイイングらしい話を・・・。

まずはダンビルとユニスレッドの違いなど・・・。
ダンビルはナイロン製で、平たい感じで、チョット伸びる感じもします。
6/0しか使った事が無いのですが、小さなドライフライには使う気がしない、というのが本音です。
少ない回数(巻き数)でシッカリと巻くには、信頼性に欠けます。
何回巻いても良いような大きなフライやマラブーならOK!良い点は色がきれいで、濡れても色が変りません。
ユニスレッドはポリエステル製で、伸びが無く、細い感じ。と言うか、大体の方はコレを使っている筈。
6/0と8/0を使いますが、主に6/0。一時「細いスレッドでシッカリ巻く」なんて言われましたが、
6/0で、「回数減らしてシッカリ巻いた方がラク」に落ち着きました。
色は地味ですね。特に、濡れるとほとんどグレーか黒になってしまう。赤色ですら、赤らしく無いです。
コーチマンの赤は、そこだけダンビルを使います。(フロスを使えっちゅーの!)

前はチョコブラウンとライトケイヒルの2色しか使いませんでしたが、(こげ茶とクリーム)
この頃は昆虫の頭か、ソラックスの色に合わせて6・7色使いわけます。(どうでも良いのですがね・・)

あまり面白い話にはなりませんでした・・・。


第三十五話 ドライでバンバン?

今年は季節が遅れているようで、連休か連休以降が一般河川でフライの本番ではないか?と言われています。
ポンドでも2週間ほど前の週末あたりから、サカナが活発になり、表面に浮いていて、
良いライズを見せるようになった感じがします。
あまりにも急激な変化なので、「なんで?この頃はドライでバンバン出るの?」と聞かれます。(複数証言)

ドライでバンバンの理由?まったく判りません。
偏食や拒食の理由はいろいろ想像してつけられますよね。
「人間のプレッシャー」「ドピーカンで気圧が高い」「ミッジがわいて偏食中」「ハッチが少ない」「水温が低い」とか?
上記の条件が全部良かったらどうでしょう?偏食や拒食を起こす理由がまったく無いのなら?
「ドライでバンバン!」しかないでしょう!
「ドライでバンバンが本来のサカナの姿である!」じゃ、説明になっていませんかね?

余談ですが、「いくら渋くてもイブニングになればサカナも出るでしょう?」と話をしていたら・・。
「イブニングにサカナが釣れるのはアタリマエ!日中に釣るのが面白いんじゃないかい?」と言われました。
ウ−ン?一利ある。ワタシもまだまだだな・・・。


第三十六話 昨今のバンブーロッド事情

バンブーロッドビルダーは無口で、ご自分の仕事を過小評価していて、常に製作に悩んでいます。
設計理論や工程の秘話はなかなか話してくれません。(べらべら喋られても困りますがね)
クラフト展などで、「チョット気になる」竿や、「コレ欲しい!」竿を見つけ、ビルダーにしつこく話しを聞くと、
ワタシ好みのビルダーさんには、ある法則の様に共通点が有りました。

@ ラインアップが少ない。
「3インチ刻みで、#2から#5まで」ご注文の応じて。などとせず、1本を作り込んでいる。
A 誰にも教わっていない
「過去の銘竿の復元」など眼中に無く、「軽く、一日遊べる、自分好み」の竿作りを追求している。
そして、「偶然にできた」アクションを否定なさらない。
B グラファイトロッドを大変、意識している
これも共通していて、「クラシックな竹竿」という考えはまったく無く、
主流であるグラファイトロッドに比べ、はっきりとしたアドバンテージを求めている。
C 比較的お若い方が増えた
上記の共通点の最大の要因は「お若い」という事だと思える。
「輸入された高価な竹竿」を崇拝する時期が無く、ご自分で考え、ご自分の出来る事をしてきた方達である。

モダンバンブーの立役者は「強力な接着剤」の登場だと思うし、それにより設計の自由度が増した事だと思う。
理論がシンプルになり、「軽さ」や「振り易さ」というフィーリングが設計理論を占める様になってきた。
グラファイトロッドに近づけることは大歓迎で、ますますビギナーに門戸が広がって、今後に期待が大きい。

(あーっしまった!語ってしまった。バンブーのことになると止まらなくなってしまう)


第三十七話 昨今のバンブーロッド事情 U

あーっ!バンブーの事を考えだしたら止まらなくなってしまった!!

モダンバンブーロッドは「軽くて」「強い」です。(また、言い切ってしまった・・・)
この2点をアタマに入れて、振ってみれば、クラシック・バンブーかモダン・バンブーか判ってしまうくらいです。

バンブーロッドにおいて、「硬さ」と「強さ」と「重さ」は、イコールとも言えませんが、全く無関係でもなく、
微妙に係わりあっているものだと思います。
「アクション」という言葉で、その性格・性能を集約されることもあります。
「トルク」とか「粘り」があるという表現がされますが、「自重による、慣性から生まれるパワー」と解釈出来ます。
金属でできたフェルールとティップセクションの重さをバット側で受け止める為、
キャスティング自体に、グラファイトロッドと明らかに相違する点があり、それが特徴でもあります。
意識的にベンディングポイントを作り(集中させ)、共振させる様な相反する動きをさせる事で、
ラインのノリは感じても、「重さ」を感じさせないロッドが出来上がります。
ベンディングポイントが集中すると、「硬さ」も打ち消してしまうので、
「不快感」を感じないように「硬さを吸収」するロッドも作れてしまいます。
「強さ」もしかりで、「強さ」の基準が「対象魚の大きさ」「遠投力」としても、
モダンバンブーロッドは「手元での軽快感」に比例しない程の「遠投力」を生み出します。

「ベンディングポイントを集中させた」アクションの代表は「パラボリックアクション」ですが、
「ミディアムファスト」を突き詰めると、ティップが曲がる前にバットが曲がり始める様なアクションになり、
「セミ・パラボリック」アクションになってしまいます。
安易な7FTロッド。安易な#3ロッド。安易なミディアムアクション。形だけのバンブーロッドは不要です。
ユーザー自身が「竿を振り」「自分のフィ−リングに合った」竿をドンドン選びましょう。
個性的なビルダーが多くなった、現在だからできる「竿選び」です。


第三十八話 昨今のバンブーロッド事情 V

グラファイトロッドと比べた場合、バンブーロッドに実質的な利点はあるのでしょうか?
あるに決まっています!!

利点が1つもない、オモムキを重視する懐古趣味だけの道具なら、とっくに消え去っていたことでしょう。
ロッドに求められる能力って何でしょう?平たく言うとロッドのやらなければならない仕事は3つあります。
キャスティング能力。フッキング能力。ランディング能力です。
ややもするとキャスティング能力のみ語られがちで、「最重要課題」のように扱われますが、
とんでも有りません!
だいたい、キャスティング性能のなかでも、距離とコントロールの「2つの側面」があるのに、
ロッドの性能として語られるのは「距離」ばかりのようです。
反発係数の高いグラファイトロッドと比べた場合、唯一「距離」だけはバンブーロッドは劣りますが、
ゆったりと力強いループは自在なラインコントロールを可能にします。
そして、グラファイトロッドと比べて反発力が低いからこそ可能になっている「バラシの少なさ」は、
「弾かないフッキング」能力と「サカナの必死の抵抗を吸収してしまうランディング」能力の証明です。
また、上記の「能力」を、「フィ−リング」に置き換えて表現できるのも、グラファイトロッドとの差です。
キャスティングフィ−ル。フッキングフィ−ル。ランディングフィ−ル。良い言葉ですねー!
利点はまだまだ語り尽くせませんが、あとはご自身で体感なさって下さい!


第三十九話 ティペット&リーダー

ワタクシ的に都合の良い、最強の「ティペット&リーダー考」です。
「全長○○フィ−ト」なんて、現場じゃ計れないし、はっきり分かりませんので、
全長は、「竿の1本半」にしています。12ftのリーダーのバットを30cm摘めて
ティップ側も30cmほど摘めます。(テーパーリーダーのティペットなんて信用できませんから・・)
そこに、5xのティペットを1mくらい足すと、7ftの竹竿の「だいたい1本半」になります。
このくらいの長さに慣れておけば、風があっても、流れが速くても、どうにかなります。
厳しい状況なら、そこから細いティペットを継ぎ足します。(厳しいなら、「細く、長く」する必要がある)
「都合の良い最強のリーダー」はマキシマです。(理由ナシ!ただの都合・・)
「都合の良い最強のティペット」はストークのA−YUティペットです。
「リーダーは柔かく」「ティペットはチョット硬め」の組み合わせが、ドリフトやコントロールに向いています。

ストークのA−YUティペットは「強くて、細くて、ターンが良い」ので、文句の付け所がありません。
マキシマのリーダーは、あの茶色だけ気にならなければ、「リーダーはラインの延長」という事が実感でき、
自在にコントロールできるので、やはり文句の付け所がありません。

まーっ、ワタシの好き嫌いなだけですがね。でも、これも道具の一部ですから、
「自分が信用できる」モノ。「頼りになる」組み合わせを、早いところ見つけましょうね。


第四十話 団塊の世代の皆様へ

私は昭和31年生まれで、現在49歳なのですが、姉と兄がいますので、
「昭和を駆け抜けた」団塊の世代の方々の存在を濃厚に感じます。
高度経済成長、受験戦争、所得倍増、上昇志向、核家族、クルマ社会、などの
社会現象にまつわる単語のほとんどに影響を及ぼした世代であると敬服しています。
70代の方々が戦後復興を成し遂げた世代とするならば、
日本を有数の経済大国に成し遂げたのは、まさに団塊の世代の方達の「功」でしょう。
もう一つの「功」は、現在にも続く「自由」を獲得なさった事だと思います。
いまは亡き「学生運動」は、現在の「右寄りでも左寄りでもない」日本を作った要因ではないでしょうか。
一世代後を追う者として、「尊敬する団塊の世代の皆様」へ、たった一つ「罪」と感じ、質問したい事があります。
それは、「本当のメイド・イン・ジャパン」をお考えになって、
後世に「ジャパン・スタンダード」を伝えようと思われていらっしゃったでしょうか?という点です。
SONYもCANONもTOYOTAも「高性能」で、世界中で評価を受けていますが、
「発想からオリジナル」な部分は、どれほど内在しているでしょうか。

フライの世界にも同様の事象を感じております。
昨今のフライ人口の減少は、消費経済の悪化だけが要因で無く、世代間の断絶を感じます。
「道具と遊び方」が同時に「輸入され」、パイオニアであり、エキスパートであり、
伝道者である世代の方々は、充分に楽しまれたにもかかわらず、「日本の風土にこなれた」
「浸透し易い指導法」で、「裾野を開拓」に、積極的に尽力された様には見えません。
「個人主義」や「マイペース」は時として、「功」で無く「罪」にもなります。

今からでも遅くはありません。「全員が、1年間に、1人、フライフィッシングに、誘ったら」
来年のフライ人口は「倍」になります!


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