THE ESSENCE OF FLY TYING



第五十一話  休日を楽しく過ごす方法

道楽だ、優雅な趣味だ、と言っても所詮「休日を過ごす方法」だと、肝に銘じましょう。
アナタを生かすべき場所は「実社会」であり、釣りは「癒し効果」はあっても、何も生み出しはしません。
それを踏まえた上で、どの様に「休日を楽しく過ごすか」を考えるべきじゃないでしょうか?
一見アナタは「フライを深く探求し、サカナ釣りをコヨナク愛している!」かもしれませんが、
実は、サカナと釣具屋に釣られているのは、アナタの方かもしれません!

ワタシはコミュニケーションの道具として「趣味」を位置付けたいと思っています。
と言っても「釣り自慢」ではなく、自分の経験や観察から得た知識を少しでも利用して欲しいからです。
「知識をシェアする」ことで、「別の形に変化・加工してくれる」人が出てくるかもしれないと思うことは、
ワクワクしるほど楽しいことです。
初めて行く場所は事前に調べて「お土産になる物産はなにかな?」「おっ!温泉があるじゃないか!」と
アフターフィッシングも楽しみたいと思っています。
「車で夜道をかっとんで、釣りだけして、渓相だけしか覚えていない」なんて淋しくないですか?
気の合う仲間と「遊んで」「食事をする」ことで、明日からの一週間分の元気を蓄えましょう。

もし?上手く釣りにならなかったらどうしましょう?
その時は絶対に悩んだり引きずったりしてはいけません。処方箋をお出ししますから実践してください。
「天気が悪い!」「川が悪い!」「サカナのバーカ!」「一緒に行った奴が悪い!」「道具が悪い!」
「俺はなんも悪くなーい!」と叫びましょう。
さもないと、夢にサカナが出てきて「フライ依存症」になってしまいますよ。では、お大事に・・。


第五十二話  そろそろ「夏フライ」のご用意を・・

初夏が終わって、今度は「夏休み」の計画ですね。
(あっ!その前に梅雨があるか・・。梅雨もそれなりに良いんですけどね。)
高地の小渓流に行き、軽装備+ショートロッドでイワナ釣り!イイですねー。
持って行く竿は6'6"#4で、ラインの乗りの良いミディアムアクション1本だけ!
着替えと麦わら帽子とサングラス。それからマグライトも忘れずにね。
美味しい蕎麦屋のある地方を目指しましょう。(Go!High groundですな)

ワタシだったら、早朝も日中も諦めて、午後の3時頃からイブニングまでの4時間勝負!
フライボックスも1個にして、フライパターンも10種以内!割り切っちゃましょう。
#14アント。#12カディス2種。#12メイフライ2種。#10マドラーセッジ。#14ライツロイヤル。
#14・ハックルスタッカ−2色。押さえで#12パートリッジ&オレンジ。かなー?
(うーん?試したいフライも持って行かなくちゃならないか・・)
このへんのフライは今度まとめて、写真で載せますね。「実績重視夏フライ」とでもしましょうか。

「夏休み」という響きは、楽しい気持ちと物悲しい気持ちが入り混じります。
溜まった宿題の心配と、次に来る季節を予想してしまう子供の頃の感覚が抜けないからでしょうか?
来年も夏は来るのですが、今年の夏は今年限りです。どうにか自分の時間を作りましょう。
(90歳まで生きたとしても、夏休みはたった90回しかありませんョ。)
団扇で扇いで、西瓜を切って、トウモロコシを焼きましょう。花火は家からでなく、土手で見ましょう。
泣きじゃくる蝉の様に行く夏を惜しみましょう。(なんかセンチメンタル・・・)


第五十三話  そろそろ「夏フライ」のご用意を・・U

この項で、やっとタイイングらしい話になったようです。
あくまでも、実績重視のパターンなので、ご異論があれば、お問い合わせください。



左は「ライツロイヤル」本当に便利な何にでも見えるフライです。ピーコックの玉虫色とレッドバンド。
ボディは沈み、ウイングのみインジケーターの様に視認でき、甲虫・アント・カディスに対応します。
右は「ハックルスタッカ−・スピナ−」カラーはイエローで、ハーフシンクを前提に使用します。
ニンフ・イマージャー・スピナ−として使えます



左は「ハックルスタッカ−・スピナ−」のラスティカラー。使い方は上のイエローと同じですが、
夏フライのキーワードは「明暗とキラキラ」です。このフライはダーク系全般に使えます。
右は#14サイズのアントです。「ハックルスタッカ−」の手法を使い、水面との干渉がソフトなドライフライです。
名前は「GOOD WILL ANT]としました。実は、フローティングニンフとしても使えます。



左は「押さえ」の唯一のウェット。「釣り上がり」の後に下って「勝負のプール」に戻るときの「釣り下がり」用。
「赤色」と「フワフワウイング」と「キラキラティンセル」の「P&O」にマスはメロメロ!?
右は#8の「マドラーセッジ」。止水でも瀬でも淵でも出る時はドカーンッと出ます。引きずりまわして使います。
カディス・ストーン・陸棲昆虫全般をイミテート出来ます。ボディはオレンジなんか最高に効きますよ。



左はアンブレラフックに巻いた「ヤマナカナガレ」。マジなリアルフライです。
見えにくいので、緩い流れや淵に落として、魚が浮かんでくるのが見えるまで待ちましょう。
右は同じくアンブレラカディスですが、イブニング用というか、視認性重視のカラーです。
一応「ウルマー」なのですが、モス・陸棲昆虫としても使用します。



2点とも「ドライの押さえ」としてのアンブレラダンです。一応「ヒラタ系」と「チラカゲロウ」です。
パターンが判らなくなった時に、このフライで反応を見ます。「リセット」する為のフライです。
「明暗2色」を、流れの有るなし、光量などで使い分けます。


第五十四話 江戸前の技

別に"江戸前"は関係ないんですが、お寿司って、「本マグロの大トロ」のようは「ネタの良さ」と、
「赤身のズケ」のような「仕事の良さ」の2面性の美味しさがあるじゃないですか。
判官贔屓なんですが、後者の「いい仕事してますねー」ってのが好きなんですよ。
「本マグロの大トロ」は、本当に美味いので、食べたら終わっちゃうんですよ。
「赤身のズケ」は、「ナルホド!だから美味いんだ!」って部分が記憶に残るような気がするんですよね。

何か作ろうと思っても、ホームセンターで揃う材料と道具でやると、技量の差が仕上がりに出るんですね。
ケチって言えば、その通りなんですが、きっと、工法や材料選びに自然と工夫をすると思うんですよ。
とびっきり良い素材やパーツを使って、設計図通りに組み立てれば、そりゃー良い物は出来ますが、
そこ止まりな気がします。参考にしたオリジナルを超えることは出来ないんじゃないでしょうか?
(ここからフライフィッシングに話を持っていくのは至難の業のような・・・)

えーと、つまりですね、
「大御所のノタマウ定説」をなぞるよりも、「自分で発見したチョットした工夫」の方が、
遠回りでもブサイクでも、本人にとっては、貴重なステップになるんじゃないかなー。ということでして・・、
子供の頃のような、「何で?」「どうして?」「ぼくなら、こうやるけどなー」で、十分なんですけど。
オリジナルって、そんな所から産まれるような気がするんです。(まとまり悪かったなー ・・・。)


第五十五話 浦島太郎

フライフィッシングを始めて10年経った、20年経った。という方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか?
ワタシを例にすると、19年目になるのですが、その間、スッポリと間があく時期が数年ありました。
やりたくても出来なかった時期は、言わずと知れた、「仕事」や「家庭」の事情です。
そして、問題は「飽きた」時期もあった事です。
人には「飽きずにボチボチ覚えましょうね」と甘言を言いながら、「遠征は出来ないし」、「新発見は無いし」
「子供と一緒には出来ないし」・・・、「辞めちゃおうかなー」という時期がありました。
無事カンバック出来たのですが、雑誌も読まず、ショップにも顔を出さなかったので、
その間のニューアイテム、メソッド、パターン、ブランドすら、スッポリ抜けていました。

白状します!
メッツしか使っていなかったので、現在のホワイティングは知っていますが、ホフマンは良く知りません。
ウィップフィニッシャーは使ったことがありません。ハーフヒッチ専門でした・・・。
(そうゆう人って、けっこう多いんじゃないですか?)
知らなくたって、使ったことがなくたって、本人の釣りにはさほど影響は無いんですが、
「俺は、こんなの知らないから、こっち一筋だ!」などとガンコに言い張らず、
起きてしまった「空白」をチョットづつ埋めてみては如何でしょうか?
ちょっとしたキッカケで、熱中していたときの気持ちを取り戻せるかもしれませんよ?


第五十六話 我が家(ポンド・ジュネス)の実力

先日、トレメンドスロッドの市川氏がポンドに来場されました。
色々とデモロッドを持ってきてくれて、興味のあるお客さまに説明と試し振りをしてもらいました。
初めてジュネスに来るので、事前に状況を説明しておきました。
「市川さん。気合が入っているけど、本当に1日中やるの?」「ドライで100尾。アベレージ40cmだよ?」
氏曰く「ドライで100は大袈裟でしょ?」「この頃、釣り出来なかったから、マジですよ」との事。
当日は梅雨の晴れ間で、フライのお客さんは残念ながら少なかったので、
二人で竿を取替えながらもプライベートな釣りを楽しむことが出来ました。

初っ端から「デカイフォームフライ」でガンガンサカナが出るので、氏も本当に驚いていましたが、
ただで終わらないのが「ビルダー魂」なんでしょうか、(8'6"#7なんてのも引っ張り出して)
自分の竿をとっかえひっかえ、ろくに休みもせずサカナをかけています。
あらゆる距離でフッキングやら、コントロールなどのフィールドテストを「数でこなす」つもりかな?

「数でこなす」ということも重要だと思います。ロッドの性格やメソッドの有効性を統計上把握できます。
「安直なポンド」「難しい自然渓流」ということは事実でしょうが、難しい場面で平常心で実践するには、
数多く体験した上での「統計的把握」が物を言います。
私がこのポンドで一番覚えたことは、「ロッドには、射程距離がある」(フッキングの限界がある!)
「フライの姿勢で、ライズフォームに違いがある」(疑わず食べるフライは、どこに行っても強い!)事です。

通年ドライフライで楽しめる「ポンド:ジュネス」に、一度来てみませんか?


第五十七話 フライフィッシングの横文字の多い訳

ティペット?リーダー?フォルスキャスト?ドリフト?フォーセップ?ストリッピング??
何で「横文字」ばかりなのでしょう?今なら普通に会話(フライマン同士ですがね・・)に使いますが、
始めたばかりの頃は「入門書」を読んでも、説明自体が横文字で「言葉を覚える」時間が必要なので、
それだけでも理解しにくい「入門書?」でした。(入門書になっていませんでしたね・・)
フライフィッシングを始めるために、越えなければならないハードルは、2つあります。
見たこともない不思議な運動?の「キャスティング」と、この「横文字群」の攻略でしょうね。

ビギナーにはなるべく使わないように説明をしているのですが、「えっ?今のなんですか?どういう意味?」と
聞かれてしまいます。「横文字」を使わなければならない場面が有る事に気付きました。何故でしょう?
「どうしても日本語に翻訳できない場合」と「英語ですら説明できない造語の場合」の2つです。
どちらの場合も理由は一つで、あまりにも狭い世界で通用するだけの語意ゆえ、翻訳する意味が無い!
「社会で頻繁に使う語意でなければ、その語意は翻訳する意味すら無い」 んですよ!世の中は!

例えばタイイング=TYINGですが、翻訳ソフトで出てくるのは=Thailand Inge (何だ?こりゃ?)ですよ。
フライを「ちゃんと社会的に認知してもらう」には、「横文字」を鵜呑みにして丸覚えで使うより、
各動作、各道具を「日本人が日本語で、日本人に」伝えられるように成った方が良いと思いませんか?
「横文字」を使っていたら「漁協」も「餌師」も解かってくれる訳無いじゃないですか。
C&Rも遠い世界になっちゃうでしょ?(相手は外人?もしくは外人かぶれと思っているかもしれません・・)
キャスティングなども、ニュアンス(柔かく・・・とか?)や、擬音(そこを、グーッと押す!・・とか?)は止めて、
物理的なアプローチなんかで、「事の本質」を覚えてもらいませんか?(何で、無いんだろう?)
「理解する学問」ではなく、「覚える為に、理解をせず詰め込んでいる」感じがして、違和感があります。

今後は、「翻訳できていない横文字」の翻訳作業をしていきましょうか。(おい、おい!本当か?)


第五十八話  人格者

えらいもんテーマにしちゃいましたね。
先日、長野の方でお客様が運営しているポンドにお邪魔しました。
単純に釣りをしたかったのと、「辻タイイングデモ」をしてきました。(お世話になりました)
プライベートポンドの会員さんばかりで、当日は十数名のご参加だったようです。
キャスティングの先生はループtoループの横田さん。(一応タイイングはコッチということで・・・。)
横田さんは、二子玉川にいらっしゃった時代に、私は「お客」として、何度かお話をしたことがあり、
「なんて、物腰の柔かい、優しい人だ!」と思っていて、大好きな方でした。
「レッスンを受けるより、見させてもらって、教え方を盗んじゃえ!」と思い、
ちょっと離れた所から、「覗き魔」のように観察してみました。

相変わらず「優しい口調」「易しい内容」で「シナヤカなキャスティング」を伝えていらっしゃいます。
生徒さん達は見る見る良いループを作れるようになり、お誘い頂いた村越氏と関心して見ていると、
村越氏いわく。「人格者だなー。誰でも言う内容でも、伝わり方が違うね」。
私もまったく同じことを感じました。「教える」ことと、「覚えてもらう」ことは大きな差があります。
「難しい用語を使い、さも大変そうに教える」先生は多くても、どれだけ生徒さんに伝わっているでしょう?
「平易な言葉で簡単そうに覚えてもらう」先生は、派手さは無いが、「教える本質」を備えているのでしょう。

もし、「何でこんなに一生懸命教えているのに、覚えてくれないんだ?」とぼやく先生がいたら、
「それは、アナタが教え方を知らないからですよ!」と、言ってあげましょう。
「上手く伝わった」とき「自分で気付く事がとても多い」ことにも気付きましょう。ってね。

フライフィッシングなどという狭い社会の話ではなく、「仕事」「家庭」「子育て」の共通テーマなんですが、
教える側に必要なのは「テクニック」では無く「受け入れられる人格(人格者)」です。


第五十九話 ローカルメソッド

以前も話題にしたのですが、ローカルと言うよりも、個人の釣り方と言うか、好きな釣り方と言うか・・・?
私としては、日本の風土に根付いた「フライフィッシング」になってほしいんですが、
シャレてるのがフライフィッシングなんだから、「洋風だから良い」「洋風のままで良い」と思う方もいるでしょう。
海や湖で大物相手にダイナミックな釣りが好きな方もいれば、小渓流で繊細な釣りを好む方も多いです。
その人その人に「歴史」があって、「事情」や「妥協」や「好み」で、やってみたい釣りを「選択」した筈です。
もしかしたら、ダイナミック派は海や湖沼でルアーフィッシングを得意としていた方かもしれませんし、
繊細派は餌釣りやテンカラからフライに興味を持った方なのかもしれませんね。

例え同じ場所・場面だとしても「釣る為に繊細にする」人と。「釣る為に丈夫なシステムにする」人がいて、
それぞれ「サカナを釣る」という結果が出ていれば、「これが正解なんじゃー!」で、OKでしょう。
アメリカでも西海岸と東海岸では釣り方も川の規模も違いますよね。
「保守」と「革新」というか、カソリックとプロテスタントくらいの差があるというか・・・。
となると、
「フライフィッシングの全て」を覚えるなど無駄な事で、ますます「個人の好み」が優先される事になります。
となると、
必要なのは「ローカルメソッドを極める探究心」と「人に認められる人格(人格者)たる」精神でしょうか・・?


第六十話 ダブルホールとスウェルドバット

覚えてしまうと何気なく使ってしまうダブルホールなんですが、試しに使わずに竿を振ってみて下さい。
「もの凄くアリガタミが解かります」。使わないとすごく疲れるし、ラインは伸びないし、リズムもとれません。
実は!竿本来のキャスティング力も解かりますよ。
各ビルダーさんからお預かりしたデモロッドが貯まってきたので、
違いを説明できるようにしようと、同じ番手の竿を集中的に振り比べていました。
左手が塞がっていたので、ホールをせずに振ってみたら、ラインの乗りが全然違う事に気付きました。
ホールをすれば、どの竿もそれなりに距離もコントロールも良い竿なのですが、
右手だけで振ると、別の竿のようです。「何気なくホールで調整をしていた」事に気が付きました。
まだ説明できるほど理屈としてまとまっていないんですが、一応言っちゃいます。

@ バットの強い(スウェルドバット)竿は、ホールなしでもまあまあ使える。
A 同じ距離をフォルスキャストするのに腕や手首の開きを倍以上使わなければならなくなる。
B ストリッピングガイドの位置(ホール時の支点になると思う)は、とても重要と思える。
試してもらえば誰でも解かります。的確なご意見をお持ちの方は、是非ご意見を頂戴したいと思います。


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