THE ESSENCE OF FLY TYING




第七十一話 人間国宝が作った純金の文鎮?

またしても難解なテーマになりました。(でも、ケッコウ本質をついているんですよ)
まったく、架空の話ですが、
「彫金の人間国宝」が「純金製」の「文鎮(ぶんちん)」を作り、100万円で売ってます。
それはそれで構わないんですが、ちょっと現象を掘り下げて見てみましょう。
これに興味を示す人が「4人」いますね。(と言うか、4方向の価値観があると)
まず「100万円持っている人」。そして「純金という響きに目が無い人」。
「その人間国宝のファン」。「ちょうど文鎮が欲しいと思っている人」です。
どんな思いで興味を示されても良いのですが、
「信念を持って選ばないと」、「無駄づかいへの批判」に絶えられなくなってしまいます。
普通の文鎮=¥1000。その作家の少作品=¥20万円。同じ重さのインゴット=¥60万円。
バラで買ったほうが安かったって、ありえると思いませんか?
だから、「批判に耐える覚悟」が必要だと思うんですよ。

「作者」「素材」「性能」「価格」という要素と評価で構成されているのが「工芸品」です。
竹竿なんかも、まったく同じ理屈があてはまると思いませんか?
ちなみに、私は「ちょうど文鎮が欲しかった人」でいようと心掛けています。
「へーっ、この竿イイね。誰が作ったの?ふーん、トンキンじゃ無いんだ。幾らなの?」


第七十二話 バーブドフック or バーブレスフック

所変われば、考え方も様々。“一番良い方法”など答えが出そうも無いというお話・・。

キャッチ&リリースとキャッチ&イートの話をしても、まったく同じ内容になるのですが、
どっちの意見が正しいの?根拠はあるの?妥協点はないの?と思うことがあります。
もっと面白い例をあげると、車に乗るとドアロックのボタンってありますよね?
あなたはロックしますか?ある程度スピードが増すと自動ロックなんて車種もありますね?
“何故?”走行中にドアロックをする必要があるのでしょうか?
以前乗ったドイツ車のマニュアルには、正反対の注意書きがありました。
「事故で車体が曲がった場合、車外に出れなくなる恐れがあるので、走行中はロックをしなで下さい!」

話を戻しましょう。フックのバーブの有る無しの希望・需要も各国さまざまです。
韓国はバーブ付きが主流のようで、 北米、欧州はバーブレスしか追加オーダーが来ません。
面白いのはイギリスです。(私と同じ考え方だったので・・)
バーブレスフックとは、 “バーブ+プライヤー”。つまり、欲しけりゃ、潰せ。ってことらしいです。

私のフック選びは、“見た目の大きさ” と “丈夫そうなワイヤー” と “必要なシェイプ” です。
気に入ったフックが “何サイズ” かも “バーブが有ろうが無かろうが” 気にする事はしません。
バーブレスの方が貫通力が良いだとか、魚にダメージが無いだとか考えたこともありません。
フックはフライを作る為の土台で、“作り辛いフック” や “効果が減少する様なフック” を使う気にはなれません。

そもそも、アナタはバーブ(あるいはバーブレス)に何を求め、何の為に使うのですか?
私は、魚からフックを外す時に煩わしさが無いようにというのが、バーブレスの一番良いところで、
二番目は、自分のジャケットに大きな穴を開けたく無いからバーブを潰しています。
車のドアロックの話と同様で、マニュアルを鵜呑みにせず、ご自分の考え(都合で可)でお決めになりませんか?


第七十三話 買い物(個人消費)についての個人的考察

物を売っている立場でこんな話題をするのも何かと思うのですが・・。
「買い物」は「必要としている人」が「必要な量」を「適正な価格」で金銭と交換する行為ですが、
あなたの支払った金銭は、どのような費用に活用されるのだと考えたことはありますか?
おおまかに思いつく科目としては、材料費、設備費、開発費、利益といったところでしょうか?
注目すべきは「適正価格」と「適正利潤」相関関係で、
買う側からすれば、「安くて良い買い物をした「とか「無駄使いだったかな?」となり、
売る側からしたら、「コレは儲かるし良く売れた!」とか「ちっとも儲からない商品だ」という判断になりますね。

良い商品とは、「安い!と感じて」「利幅もあって」「良く売れた」商品、ということになります。
数は少ないと思いますが、そのような商品を集めるのがショップの勤めで、醍醐味と捉えています。

バンブーロッドなどのクラフト作品は個人経営者による製品・商品と考えられます。
皆さん“誠実“で”真摯“で”我慢強く“、「作品こそが我が主張!」とお考えになり、
「武士は喰わねど高楊枝」然とした清楚なお立場をとられます。
あえて、私は代弁します!
高価と感じるバンブーロッドとその利潤は、“ビルダー諸氏の生活費“そのものです。
是非、購入をお考えになるときに、ビルダーの生活も買うのだという寛大な御心を
購入動機の一部に加えられるように切にお願いしたい。というお話でした。


第七十四話 物真似は正当な文化です

何故?こんなことを考えたかと言うと、
「他には誰も真似の出来ない彼だけのオリジナル」って、よく言うじゃないですか。
コレって逆にアブナイと思いませんか? というのがことの始まりです。

NHKの番組で背中にエンジン背負って空撮する人を見たことありませんか?
(モーターパラセールって言うんですかね?)
番組の冒頭で、同じ事を言ったんです。(00さんにしか出来ない方法で撮影しました)ってね。
確かに素晴らしい映像で(超低速、超低空飛行)、
飛行機などの乗り物と違う、鳥や蝶になったような目線に感じます。

ただ、同時に思ったのは、「素晴らしいのに、何故誰も真似をしないの?」 でした。
コペルニクスの地動説のごとく、素晴らしいアイデア・着眼点も賛同されなければ
ただの変人扱い、はたまた罪人になってしまい、葬り去られる可能性大だという事です。
真似の出来ない理由も若干想像できます。
「危険すぎる・難しすぎる」「私がやる必要は無い」「それをやって何の意味や評価があるのか?」などでしょうか。

私はいつも単純に物を考えるので、「スゲ−!俺もやってみよーっ!」と、真似を試みます。
“本当にオリジナルなモノ”は存在するのでしょうか?
既存の方法や概念をベースに別分野のアイデアや時代感をミックスする事は安易なのでしょうか?
それを“物真似”と言われ様と、なにを臆することがあるのでしょう?

そして、その新たな試みに触発され、さらに発展してくれる人物が居ることを望まない発見者が居るとは思えません。
もし、後継者を作る事や利用・流用される事さえ拒むとしたら、
あなたにとって大切な発見でも、世の中にとっては不要なものと宣言しているのと同義です。

P・S  地動説のオリジナルはコペルニクスと考えます。ガリレオはコペルニクスの”偉大な物真似者”?かな?


第七十五話 竹竿製作日誌

「作り手」と「使う側」は立場が違うと思い続け、頑なに作る事を拒んでいましたが、
とうとうバンブーロッド制作に手を染めてしまいました・・・。
それもクワッド(4角断面)からのスタートで、自分なりの方法を極めてみたいと思っています。
拒んでいたものを始めた経緯は公表しかねますが、竹と戦っているなかで解かった事が幾つかあります。
「誰にも負けない究極の1本!」を作るつもりはありませんが、
ビルダーさん達がそれぞれの「思い」を「形」にしていく行程を垣間見た気がし、竹竿ともっと親密になれそうです。

解かった事?思った事?感じた事?

@ 繊細な手作業ではありません。体力勝負の格闘技でした。
「指先の感覚が大事な繊細な技術」も必要なのでしょうが、
最初に必要になったのは「同じ作業を続けられる二の腕のチカラ」でした。
A 作業自体は以外に単純な木工加工?
行程は驚く程少なく、カタチになるにはさほど日数は係りません。(あくまでもカタチになるだけの話ですがね・・)
B この作業を続けるには気力が必要(プロになるならば・・)
例えば、一度に3本を平行して制作し、それが1ヶ月で完成したとしましょう。
「1ヶ月で3本なんてけっこう効率良いんじゃない?」と思いますか?一生懸命やっても1年で36本ですよ?
C こんな苦労をするならば、10万円払ったほうがマシ!
この事は、作業の早い段階で頭に浮かんだ事です。やってみれば誰でも解かる事です!買った方が安い!
D 改めて「買う側」として思った事は、ビルダーさんがどんなに苦労して作っていても、
私はその苦労に一円の対価も払うつもりはありません。
あくまでも完成した製品の性能に対してのみ価格は付けられると確信しました。

「企業秘密」はありませんので、ご質問、反論には丁寧にお答えしてまいります。
次回「竹竿制作日誌」もお楽しみ下さい。


第七十六話 アクションってなに?

映画の撮影でビルから人が落ちること? それはスタントだっちゅーの。
ロッドのアクションの話です。
私も含め、フライフィッシャーは、ことさらロッドの調子を重視し、自分の理想を求めます。

何故でしょう?
ルアーロッドでもアクションは必要でしょうし、のべ竿の釣りでも「調子」って表現しますね。
でも、どうやらそのアクションの用途や必要な場面が違うようです。
ルアーマンに聞いたら、「どんなロッドが良いかって?そりゃー、ルアーを良く泳がせるロッドさ!」
テンカラ師に聞いたら「魚を“いなす”竿に決まっているだろ」という答え。
つまり、ルアーロッドはルアーの操作が最重要課題で、のべ竿は取り込みが重要なようです。
ちなみに、かつおの1本釣りの重要課題は、引っこ抜いて上手く甲板に落とせるアクションらしい・・。
フライは?やっぱりキャスティング(距離もコントロールも)がメインになるでしょうね。
それでは、なぜ?それぞれの釣りに“重要課題”があり、違いがあるのでしょう?
それは、その“重要課題”がその釣りの“核心部分”で、それをマスターする事が“醍醐味”だからです。

フライの場合、距離はもちろん、方向や落とし方を全てラインとロッドで操作します。
ただし、問題があって、ロッドから出ているラインの長さが一定で無い、
つまり負荷が一定でないから「本人が加減をする」か「ロッドに負荷の許容範囲を持たせる」必要が出てきます。
だんだん解答に近づいてきましたね。
風向きの違いなども克服できるようになり、トラブルも無く、
近場から遠くまで、自在にラインをコントロール出来るようになり、魚をかける!
それがフライフィッシングの“核心部分”で“醍醐味”ということになり、
それを実現する、あるいは補助してくれるロッド(アクション)を求めているのではありませんか?


第七十七話 「タイイングの神様が右手に降りて来ました」

久々に「新作フライ」が出来ました。相変わらず偶然で思いつきなんですけどね。
アンブレラフックのアレンジ版以来だから3年ぶり?かしら・・。
どんなフライかと言うと、早春の釣りに出番の多いフローティングピュ−パです。
名を 「HANGLOOSE」 と命名しました。
意味は、「だらしなくぶる下がる」と、サーファーの合言葉で「元気?」「やってる?」くらいの意味?
見ていてつまらないくらいシンプルで、巻くのも“チョー簡単“。私の得意な「安い、早い、美味い」フライです。
タイイングステップは、たった4コマですが下の写真をご覧下さい。

このフライのキモは、ループ状のアイを作り、そこにティペットを結ぶことにより、
ティペットが水面に付かず、5cmくらいフライから離れていることです。
たった5cmですが、この距離の有効さの解かる人は釣りの上手い人で、痛い目にもあっている人だとおもいます。
先日、名古屋で老舗釣具店の展示会に飛び入りで「辻タイイング」をさせてもらいましたが、
タイイングの最中で理解なさる方と、説明してもご理解頂けない方と、明暗クッキリでした。

あ!もう一つ「素晴らしい特徴が・・」、それは、「老眼」でもティペットが必ず結べる事です。

HangLoose タイイングステップ



フックは#18位ならなんでもOK!アイは     ティペットをループにしてアイ側に取り
不要なので、キス針とかチヌ針なんかも良い           付けます。長さはボディと同じくらい。
シェイプの物があります。                   これは0,8号のティペットです。



お馴染みのラムズウールを一度ループに通して           止め易いところにハーフヒッチを数回して
から、インジケーターの様にアイに付けて、                 ハイ!出来上がりです。
折り返してソラックス状にします。                  フロータントはインジケーターのみ塗布               


PS:確かに良く出る針なのですが、「魚が出ることが前提」になるので、
フッキングさせるには、「釣り人の腕前」にすべてがかかってきてしまいます。
「自信を無くした」人も続出・・・。罪なフライだ・・。


第七十八話  業務連絡

直接コラムと関係が無いので、「業務連絡」とお題にしました。
アンブレラフックの取り扱い・マーケットが海外に移行しつつあります。
いろいろなルートがあるのですが、私が分る範囲でコメント付きでリストにしておきます。

M,C Flyfishing LLC
ニューヨークにほど近いニュージャージー州にある代理店です。
代表は河野氏。在住邦人で、NJのFFショーで日本人の製品紹介がメインワーク。
コチラの気持ちが伝わり易いので大変力強く頼りになる人物です。

Hanson’s Fishing Outfitters
カナダ西部のカルガリー、アルバラータにあるガイド業がメインの
ウエイン・ハンソンのショップです。デンバーショーに出品してもらいました。
素朴で陽気なタフガイで、楽しい釣りをガイドしてくれるそうです。

MontanaFly
勿論モンタナに在るんでしょうね?有名な“モンタナフライ“もお得意様です。
完成フライの販売は”アンプカ”に次いで「世界第二位」だそうです。
日本と違い、フライを巻かないフライマンが多いアメリカで重宝なお店です。

Swede’s FlyShop
ワシントン州にある、落ち着いたフライプロショップ。スウェーデン人なのかな?
コチラの店主はなかなかタイイングがお上手のようで、人望も厚い方のようです。

Bentley's Outfitters
ミネソタ州、ミネアポリスの大型アウトドアショップが”ベンチュリー”です。
地元のハンターが獲った質の良いヘア材が有名です。

Thorne's Manufacturing & Sales.
コチラもカナダ、アルバラータにあるフライショップ。といってもウェブショップのようです。
”良い物を世界中から集める”姿勢でご商売をしているそうです。

 Trutta.co.kr in Korea
お洒落なサイトを展開しているトラッタさん。
日本のリールメーカー”トラッタ”さんとも若干つながりがあるようなのですが・・
もう一軒、”スパイダーフライ”というお店ともお取引があったのですが、
アドレスが変わったらしく現在サイトが探し出せません。どうしたんだろう?

Crazy Fly Shop in italy
詳細はまったく分りません。スミマセン・・。
でもイタリアのフライ道具ってなんか気になりますよね。

Tackle Mac
茨城で英会話教師をやっている”変なガイジン” ジョナサン・ギリンガムが運営している
ウェブショップです。彼はイギリスの製品を日本へ、日本の商品を英国へ紹介するという
とても意義のある仕事をしています。繊細で穏やかな性格は誰にでも好まれるでしょう。


他にも取り扱いショップが海外にあるようですが、私がメールをしたり、商談をしたのはこれくらいです。


第七十九話 自信を持って、プライドを捨てましょう

フライフィッシングだけのお話ではありません。仕事も家庭も含めて行動規範として戒めにしています。
「どこに差があるの?」 「そんな事が行動規範と言えるの?」思われる方もいらっしゃるでしょう。

では、まったく逆の事を考えてみましょう。
「自信が無いのにプライドだけ持っている人」・・・。ちょっと厄介な人に分類されませんか?
”実力”という言葉もあり、”自信”に似ているように思われますが、
陸上競技やゴルフ、カーレースなど”数値で記録”される能力・技能で無い限り、
”実力”は”自分で決めるもので無く””他人が評価してくれるもの”です。
自分で「実力がある」とは言えませんが、自分で「自信がある」と言う事は罪悪ではありません。
その自信は、時として実力以上のチカラを引き出す可能性を秘めています。

もう一つのキーワード、”プライド”は、
本人の進化・前進のブレーキになりかねない”負のチカラ”を持っていると思います。
以前にもお話しましたが、私は「人真似」や「パクリ」するのもされるのも大好きです。
「子供の戯言からもヒントを探ります」し「転んで倒れたら、何か拾って立ち上がり」ます。
ずうずうしく、洗練されていないのかもしれませんが、メンタル面のタフさには自信があります。
(あっ!”自信”という言葉を使ってしまいました・・)
「そのやり方、考え方は私のスタイルと会わないね」 これはプライド意識の初歩の初歩でしょうね。
私なら、他人のやり方も「一度は拾ってみて、使える部分は採用。使えなさそうなら却下」にします。

あくまでも 「自分のスタイルにブレを起こさず、考え方の新陳代謝を促進する」
表題の「自信を持って、プライドを捨てましょう」をこのように言い換える事が出来るのではないでしょうか。


第八十話 俗っぽいところが逆にリアル

突然ですが、私、ものすごいテレビっ子なんですよ。
ニュースショーもバラエティも好き。特番の「緊急!警察24時」なんかも大好きです。
近頃気になる番組は、細木数子さんと江原啓之さんのスピリチュアル系トークショーです。
言っちゃ悪いんですけど、番組の本題となる「占い」や「鑑定」に興味はさらさらありません。
勿論、ご両人ともプロですから「話術」は巧みで、ゲストもついつい取り込まれて、
「泣くはずの無い人の涙」がモニターされてしまいます。
お二人に共通する特徴は「その道の権威」にありがちな、上からものを見る態度をせず、
「隣のオバちゃん、オジちゃん」目線で「褒めたり」「叱ったり」「慰めたり」するところだと思います。
時々、シモネタも交えて「当り障りのある?」ツッコミを入れるところにライブ感すら感じます。
つまり、「偉そうな先生」っぽく無いMCの起用と、占い以前の「本質的な説教」の必要性が、
これらの番組のキモで、人気番組になった理由ではないでしょうか。

決して「神格化」せず、「重荷を解いてあげる」説教をする「隣のオバちゃん」が身近に居たら、
もっともっと、楽に暮らせていけるのかもしれませんね。

ところで、テレビやラジオで「頻繁に流れる情報」って何だと思いますか?
頻繁に流れるのだから「重要な情報」に間違いはありません。
@時報 A天気予報・交通情報 B株価と為替レートです。これって大事なんですよね。


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